7月5日から8日までドイツの都市エッセンで開催されていた第22回ヨーロッパスポーツ科学学会(ECSS)で、私立中国医薬大学臨床医学研究所博士課程(台湾中部・台中市)に所属する林懿苑(Yi-Yuan Lin)さんが若手研究者賞の口頭発表(Mini-Oral)で2位を獲得した。林さんは、科技部(日本の文部科学省に類似)の支援を受けてこの学会に出席。台湾からは唯一の受賞となった。
林さんが発表した研究論文のテーマは「Effect of Exercise Training on Cardiac Inflammation and Fibrosis in Hypertensive Ovariectomized Rats.(卵巣摘出術後に高血圧症を合併したラットの心筋炎および線維化に対する運動トレーニングの効果)」。林さんは2015年にも、米スポーツ医学会の国際学生賞(ACSM International Student Award)を受賞したことがある。また、台北市立大学運動科学研究所(台湾北部・台北市)の楊艾倫(Ai-Lun Yang)教授と行った共同研究の成果は、閉経を迎えた女性の心血管疾患の予防及び治療に役立っている。
ヨーロッパスポーツ科学学会は、ヨーロッパにおけるスポーツ科学研究分野で最大の学会組織であり、その年次総会はこの分野における年に1度の重要なイベント。国境を越えてスポーツ科学の研究に取り組み、その研究を促進することで、スポーツが何よりの良薬(Exercise is best medicine)であるという考えを広めることを目指している。
ヨーロッパスポーツ科学学会が設置する若手研究者賞は、若手研究者によるスポーツ科学研究を奨励するためのもので、年々競争が激化している。今年は244件の申請があり、そのうち資格要件に合致するものは132件だった。一次審査で22件が選ばれ、口頭発表の機会を得た。そのうち上位10名が入賞。林さんは2位を獲得した。